2012-02-14

「カーネーション」直子の電話

昭和34年9月、直子が史上最年少で「装麗賞」を受賞。
ちなみに直子のモデル・コシノジュンコが受賞したのは「装苑賞」。

装苑賞(そうえんしょう)は、新人デザイナーを対象とした公募のファッションコンテスト。1956年、女性向けファッション雑誌「装苑」創刊20周年を記念し、創設された。歴史が古く、現在では新人デザイナーの登龍門といわれ、これまでにコシノジュンコ、高田賢三、山本寛斎、山本耀司など数多くの著名デザイナーを輩出している。<Wikipediaより>

直子と同じ学校に通っていた優子も当然狙っていた賞。
優子は主席で卒業したほど成績優秀な学生だったので、賞をとれなかった悔しさもひとしおだろう。
しかも、何かというと衝突してくる妹の直子がとったと聞いては心穏やかではいられない。
そんな傷ついているであろう優子を、恵も昌子も八重子もさりげなく気を遣ってやっている。

そこへ東京の直子から電話。
その電話をとった優子は一瞬沈黙するが、ぐっと気分を引き立て、明るい声で妹を誉めてやる。

聞いたで。良かったな。装麗賞とれたんやったら、もう間違いないわ。アンタはデザイナーとして大成する。姉ちゃんは、まあ、この店を地道に守っていくよって、アンタは東京で思う存分やれるとこまでやり。アンタが華々しく活躍すんのをウチは岸和田から見守らせてもらうわ。

端から聞いたら文句のつけどころのない優しい姉の祝辞ではあるが、あくまでも下の者を労う物言いでもある。これが優子がプライドを守るための精一杯の手段とみた。

しかし、直子は非常に不機嫌である。
ぶっきらぼうに「お母ちゃんに代わって」。
糸子に電話口に出るなり怒りのマシンガントーク。

ちょっとお母ちゃん、何あれ? 何であんな呆けてんよ? アホちゃうか。ウチがちょっと装麗賞とったくらいで、あんな腑抜けた声で「おめでとう」とか抜かしよって。姉ちゃんや。お母ちゃんな、甘やかしたらあかんで。あの根性なし、どうせ毎日メソメソしてんやろ? あんまし続くようやったらな、一発蹴り飛ばして「アホか! シャッキリせえ!」ちゅうて怒っちゃってや!

言うだけ言って電話ガチャ切り。唖然とする糸子。
それにしても東京から岸和田の電話代は安くないだろうに、直子は一体何の用事があったんだろう。
優子の根性をチェックするために電話してきたのか。
感情表現がヘタな直子、「どうせ甘ったれで泣き虫の優子は装麗賞の件で今ごろしょんぼりしてるだろうから、ここらで一発カツを入れてやろう」と思って電話をかけてきた…というツンデレな姉妹愛の可能性も否めない。

装麗賞ショックで気分が冴えない優子。接客にも気が入らない。
糸子に「嫌なら店に出るな」とどやしつけられとぼとぼ奥に引っ込むと、恵が居間のテレビで歌舞伎役者・中村春太郎改メ中村冬蔵のインタビューをうっとりと鑑賞中。
幼い頃、祖父・善作に歌舞伎によく連れていってもらったことを思い出したりして、優子の落ち込んでいた気持ちが少し上向きに。
春太郎は冬蔵を襲名して風体にも貫禄が出てきたが、インタビューで披露しているのは以前ラジオで話していたのとまったく同じエピソード。
いわく「若い頃はご婦人方にモテようと思って浪花っ子の真似をしたもんでしてね」。
「冬蔵中村のすべらない話」に恵も優子も大笑い。

そこへ鬼の形相の糸子登場。
店に出るのが嫌なら裏へ行けとは言ったが、裏でテレビ見てろという意味ではない。
捨て鉢な優子は大反論。
どうせウチには直子ほどの才能はない。店に出ても迷惑ばかりかける。ただの役立たずの邪魔者だ。テレビ見て笑う以外やることなんかない。

糸子の怒りのビンタ炸裂。号泣して出ていく優子。
また今日も泣いてしまった優子だが、これまでとは一味違う。
まあ、コドモのワガママみたいな言い分だったけど、母に負けずに言い返したではないか。優子、華麗にステップアップの予感。

泣く長女、吠える次女、食べる三女。
オハラ三姉妹それぞれの個性が際立ってきたところで、北村逮捕の知らせ。
二人の刑事がいきなり開店中のオハラ洋装店の店先に現れ、水戸黄門の印籠のように警察手帳を見せびらかす。
糸子に逮捕状が出ているわけでもなさそうだし、表から来てそれはないよ刑事さん。こういう時は裏からひっそり訪ねてほしい。手帳もそんなに長々と掲げなくて結構ですから。
「あの店、なんや警察沙汰らしいデ」「誰かタイホされたらしいデ」などと風評が立ったらどうしてくれるの刑事さん。営業妨害だよ。

さて、「口は悪いが心根は優しく三姉妹をよく可愛がる糸子にベタ惚れのオモロイおっちゃん」というキャラで押してきた北村が逮捕。えらいこっちゃ。
糸子と周防が店の金を横領したという嘘の噂を流した件はサラリとどこかにしまいこみ、糸子と仲良く喧嘩したり千代の夕飯をパクパク食べたり娘達にホットケーキを奢ったりして、このまま小原一家と共に穏やかに年を重ねていくのかと思っていたのに、あら、まあどうしましょう。これからどうなるの?
時々、糸子と北村に変身してしまう尾野真知子ほっしゃん。のTwitterでのやりとりも見逃せないぜ。【み】